コントラバスサマーキャンプ’03

私は現在「九州ベースクラブ」というものに入会しています。
この会は、九州交響楽団首席コントラバス奏者である深沢功先生を代表とする
プロ・アマ、国内外問わずコントラバス奏者にコントラバスについての情報交換と交流のために誕生した会です。
大学4年、河原さんのリサイタルを聞きに行ったときに入会しました。
月に1回程度会報が届き、コンサートの案内や海外のアーティストの情報などなど貴重な情報満載です。
九州在住のコントラバス奏者の方、是非入会する事をオススメします!!!
(年会費 中・高校生500円 大学生1000円 一般 2000円)

’03年6月末に届いた会報に「KBCベース・キャンプ熊本」とトップに書かれてました。
この会報が届く前、熊本であったオクトバス4のライヴの時、大学時代のコントラバス仲間で現在平成音大生の亀子君に会い、
なんと今年は昨年に引き続き監事をするそうで、「講師の先生もいいし絶対損はさせないから」と強く勧められまして、
日程を確かめると2泊3日のうち初日は仕事でダメだけど、九響メンバーで監事の斉川さんに問い合わせた所1泊でもいいということなので、
おもいきって参加することにしました。

8月16日、天気雨。
突然の雨に見舞われながら私は楽器を担いで博多まで行き、師匠と合流。
そして楽器を師匠の車に積み込み師匠と共に熊本・小国に出発。

今回の合宿地、木魂館は側に温泉があったり(しかも午後10時まで自由に入れた)大きなグラウンドがあったり(実際アメフトの合宿があってそこで練習してた)
最終日発表会があったんだけど、発表会ができるほど天井が高い大会議室があったり、
とても過ごしやすい施設でした。
私たちが練習・宿泊したところは小会議室を含む離れにあたる所。
夜遅くでも音が出せて幸せでした。

さて今回のキャンプの講師の先生は元NHK交響楽団の首席コントラバス奏者・中博昭先生と
九州交響楽団首席コントラバス奏者・深沢功先生。
中先生は深沢先生の師匠でもあります。
参加者は現役高校生や現役音大生、ジャズベーシスト、社会人、フリーコントラバス奏者、
そして九州交響楽団コントラバス奏者などなど、ジャンルは様々。
参加者は1時間お二方の講師のレッスンを受けることができ、その他の時間は
アンサンブル、個人練習、九響の方やフリーの先生にレッスンを受けるなど自由。全て自主行動。
私は初日の昼過ぎに深沢先生のレッスンを、最終日の朝一番に中先生のレッスンを受講する事にしました。

初日の深沢先生のレッスン。持参した発表会のための曲をめちゃくちゃ緊張しながら演奏したら
「弓がばたついてて(弓の動きに無駄な動きがあるってこと)無駄な音が鳴ってる」
とすぐにご指摘を受けました。
そのあと何度か繰り返して曲の1フレーズを演奏していると、
「弓の位置を考えてみよう。フレーズの頭は弓先よりフロッシュから始めよう」とも。
1時間のレッスン時間、同じフレーズを何度もゆっくりしたテンポで
フロッシュから始めるように、弓がばたつかないように繰り返し練習。
ピアノ伴奏と最後合せたんですが、最初の演奏と明らかに良くなったのが自分でもわかった。

会場に着いたとき、監事亀子君に「アンサンブルもやるのよー」とアンサンブルの楽譜を貰う。
4チームのうち、私は亀子君をリーダーとするアンサンブルグループの4THを担当。
やる曲はモーツァルトの「アヴェ・ベルム・コルプス」と皆さんご存知「ピンク・パンサー」。
特にピンク・パンサーは殆どピッチカートで、裏拍で指を鳴らす代わりに弦を叩かないといけない。難しかったー。
でもメンバー(亀子君・山口君・智恵美ちゃん)がいい感じだったし、練習が楽しかった。
最初遠慮がちに弾いてたけど、次第に楽しくて仕方がなくなり、ノリノリに。

夜はバーベキュー、花火大会、温泉、お疲れ様会(飲み会)・・・・。楽しい一日はあっという間に過ぎ。

最終日。
朝一番に中先生のレッスンが控えてました。
朝ごはんをさっと食べ終え、早めに音出し開始。で、5分前に先生がいらっしゃるお部屋に行きました。
早めにレッスンが始まり、私のやる曲をまず聴いて、
「今の音は凄くしっかり1音1音鳴ってるんだけど、この曲には今の音は重すぎるんじゃない?」
と、速いパッセージの部分を先生が私の楽器と弓を使って模範演奏をしてくれた。
私が発表会でやる曲は元々あるコントラバスの曲をラグタイム風に編曲した小品。
ノリが大切、とスプリングボウ(弓を跳ばして演奏する奏法)で模範を示してくださいました。
そして、ラグタイムはこういうノリだよ、とピッチカートと弦を叩いて独特のリズムを教えてくれました。
途中で他の部屋でレッスンを終えた深沢先生もいらっしゃり、とても緊張しながらレッスンを受けました。
実際私が演奏して見てもらったのは時間的に半分くらいだけど、分かりやすく凄くためになるレッスンでした。
レッスン後、お二方から「短い時間で短所(弓がばたつく)を直して凄い、音質が立派」と私には勿体無いお言葉をいただきました。

発表会。
皆さんとてもいい響きで楽器を鳴らしてて、しかも上手い!!
こんなハイレベルな発表会に私なんかが参加していいんかなー?と緊張が倍増。
でも本番前伴奏の方の「楽しくやりましょう」の一言で緊張がほぐれ、
肝心の本番はいっぱい間違ったけど楽しく演奏できました。

アンサンブルもいつもよりグループのみんなの音を聞けたし。
ピンク・パンサーは皆さんが指を鳴らしてくれてついついノリノリに。

最後に講師のお二方の演奏。
深沢先生は4曲披露。大会議室は深沢先生のコントラバスの深い音に包まれました。
特に無伴奏の曲が印象に残りました。激しく次の展開がどうなるかワクワクした。
次に中先生。中先生は深沢先生の楽器をお借りしての演奏披露でした。
でも深沢先生とはまた違って、優しく包み込むような柔らかい音で。
録音したかったー・・・・・・。(でも今日の発表会の録音CDを予約したんだー。)

環境・進行・講師・メンバー・食事・温泉・参加費・・・・・。どれをとっても最高だった!!!!!!!
本当に参加してよかった。サマーキャンプに関わった方皆さんに感謝感謝です。
あと天候が良かったら文句なしだったんだけどね。これは仕方ないか。
キャンプから帰ってきて楽器を弾いたんだけど、心なしか響きがよくなったような気がします。

来年のキャンプも絶対参加する!!と心に決めたいわやんなのでした。