コントラバスって何?


大学の友人や教授とよくした会話。
「いわやんってサークル何??」
「吹奏楽団」
「何の楽器やってるの?」
「コントラバス」
コントラバスって何??
「えっとね、ヴァイオリンのでっかい奴で立って弾くの・・・。」

毎回毎回知り合った友達に同じ説明をしています。

コントラバスは色々な呼び名があります。
コントラバス、ダブルベース、ウッドベース、アコースティックベース、ベース・フィドル、ベース、ストリングベース、弦バス、弦ベー、等など。
やっている音楽のジャンルによって呼び名が違うが全て同じ楽器なんです。

コントラバス(Contrabass、Kontrabass)はヴァイオリンなどヴァイオリン属とは起源が違います。
コントラバスの起源はバロック時代の古楽器、6本の弦が張られたヴィオローネ(ヴィオール属)だそうです。
ヴァイオリン属は肩が碇のように尖っているのに対して、ヴィオール属はなで肩であります。
その他ネックがボディーに対してヴァイオリン属はほぼ直角に対し、ヴィオール属は鋭角に傾いてます。
楽器の形も錨型のヴァイオリンシェイプ、なで肩のガンバシェイプ、くびれの形が独特の5弦によく見られるブゼットと、色々あります。
全長が170〜180cmくらい。(日本で最も流通されている3/4サイズの場合)その大きさのため立って演奏、またはバス椅子に座って演奏します。
重さは15Kg位です。(3/4サイズ・ラウンドバック)でもコントラバスは全長にも触れましたが、サイズや形等で重量もかなり違ってきます。
楽器の裏板の形も2種類。なだらかな曲線のラウンドバックと平坦なフラットバック。フラットバックの方が重たいです。

4本の弦が張られていて、音程が高い方からG,D,A,Eと4度間隔で調弦されています。(ソロ・チューニングは1音上のA,E,H,Fis)
(他のヴィオール属(ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ)は5度間隔の調弦。)
曲によっては(ベートーヴェンやブラームスなど)Eよりも下の音を求められる場合もあり、もう1本弦を張った5弦ベース(H(C)の音まで出せる)や
Eが出る弦を張るところにCマシーンという装置を取り付けて弦を延長し、Cまで出すようにして低音をより出せるよう対応してます。

奏法には主なものは2つ。
@弓を用いたarco(アルコ)
A弦を指で弾くpizz(ピッチカート)
この2つを応用・発展した現代奏法もあります。(弓の竿で弦を叩くコル・レーニョや弦を指板にぶつけて衝撃音を出すバルトーク・ピッチカートなどなど)

オーケストラでは少なくても4本、吹奏楽では大体1,2本用い、室内楽では1本あると音の広がりが変わる。その豊かな低音で全体のサウンドを支えています。
ジャズでもオケでも、室内楽でもコントラバスは絶対欠かすことのできない大事な楽器なのです。

しかし、吹奏楽では学校によって楽器がなかったり部員がいなかったりでコントラバスがいないバンドが結構多いですね。
少子化の波は、吹奏楽の世界でも多大なる影響を与えています。現在では小編成のバンドが多く、部員が少ない学校同士で合同バンドを作っているという例も多いです。
吹奏楽は管楽器がメインですから、学校の備品のコントラバスがあっても大抵管楽器に回します。楽器は弾く人を待ちながら狭くて湿気の多い備品庫の隅にたたずんでいるのです。

楽器や弾く人材がいても、コントラバスに関する正しい知識を持っている人がいないと、楽器の扱い・メンテナンス・奏法がグチャグチャになってしまう。
楽器がとても悲惨な事になっている学校を何校も見たことがあります。
ああ、楽器がかわいそう。楽器はそのバンドの財産なのにな。
弓毛と弦を交換するだけでも楽器は息を吹き返します。コントラバスの正しい知識をもっと知っていただきたいものです。

あと、吹奏楽の曲の中にはコントラバスという楽器の性質を知らないと明らかに感じられる作曲家の作品が結構ある。
困ったものです。(最後は愚痴になってしまった・・・・。)

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