美術。絵を見ることは私にとっての癒しであり、感性を磨く手段でもあります。
私の入った学科は文学部の「比較文化学科」。
で、入学する1ヶ月前中学校の定期演奏会のOB参加のステージに乗ったとき、
教頭先生でもあった顧問の仁科先生に
「比較文化が学科だったら、『比較音楽』を専攻すればいいんじゃない?」
と言われ、「比較音楽」をゼミに取ろうと思って入学した。
しかし入学して半年が経ち、「比較音楽」という分野がうちの大学にないことが発覚。
どうしようか・・・。考えている時、サークルの先輩に美術史ゼミの先輩がいた。
先輩に聞くと、先生はとてもいい先生で、年に2回ゼミ旅行があるとか。
「比較音楽」が無いのならば、同じ芸術だし考えてみようかな?と思った。
2年になって美術史の先生の授業を1コマ取った。
講義は面白く、先生もいい先生だった。
ただ優しいだけじゃなく、けじめを付けるところはつけないと激しく突っ込まれる。
1年間講義を受けて、「この先生だったら、この先生の美術史ゼミだったらいい経験ができるだろうな」
と、2月のゼミ調査で第1志望で美術史を志願、美術史ゼミを取る事になったのです。
浮世絵は本当に心の底から好き。
日本人の素晴らしい美的感覚が感じられる。
簡略化された構図なのに感じることのできる躍動感。
「線」の美しさ。
ジャポニスム以前の西洋画には見ることのできないアシンメトリ(非線対称)。
大学で美術史ゼミに入り、浮世絵を調べれば調べるほど浮世絵の虜になっていきました。
浮世絵の魅力にとりつかれるきっかけになったのは、中学校3年の時の美術の授業。
3年になると、実技だけでなく美術史も並行してやるようになった。
美術史のプリントをもらい、授業中に穴埋めをして最後には1冊の冊子に仕上げた。
ある日、その冊子の表紙に好きなアーティストの作品を描くという宿題が出た。
私は美術の教科書から歌麿の「ポッピンを吹く女」を何気なく選び、描いた。
その時は何も考えず、ただ写しただけなんだけど、授業で浮世絵の話がでた。
自分が写した絵について話題になってとても興味を持った。
浮世絵は浮世絵師・彫り師・刷り師の3つの別々の役割を持った職人の総合芸術であることや
浮世絵と呼ばれる物は版画だけでなく、浮世絵師自ら描いた「肉筆画」も入ることなどなど。
運がよくうちのばあちゃんが浮世絵の本を持っていて、そればかり見ていました。
そういうこともあって美術史ゼミと決定し、秋に3年生にも発表してもらう事を先生から聞いて
「じゃあ、一番好きな浮世絵について調べよう。」と思い、
当時1番興味を持った浮世絵師葛飾北斎について調べました。
発表の内容は今になって思えば本をたどったような内容で非常に稚拙。
先生にもコテンパンに突っ込まれました。
それでも浮世絵が好きだし調べ続けたいと思い、卒論の題目を浮世絵にすると決心したんです。
しか〜し!!
先生に「卒論のテーマを『北斎』にしたい」と相談した所、
「北斎についてはあらゆる研究家が調べ尽くしていて、
もし北斎をテーマに卒論を書くようだったら重箱をつつくような内容になってつまらない。」と
却下されてしまったのである。
じゃあどうすればいいんですか??先生に相談。
すると、先生からありがたい助言が・・・。
「北斎にこだわらず、浮世絵と西洋画との接点とか浮世絵が近代西洋画に与えた影響とかいろいろあるじゃない」
その助言を元に、図書館に駆け込み、浮世絵が全盛だった時代の西洋画の形態を調べた。
18C後半〜19C初旬にかけて活躍した西洋美術家は
ゴッホ・モネ・マネ・ルノワール・ロートレックなど、いわゆる「印象派」と呼ばれたアーティスト。
彼らは今までの西洋画の固定観念を超えた作品を多く残した。
しかもこの頃、鎖国下であるにもかかわらず浮世絵のほか多くの伝統工芸品が西洋に流入し、
日本の美術品が大変珍重された。
この時一種の日本ブーム「ジャポニスム」なる時期があったらしい。
これは使える!!!!
私は自信を持って先生に「近代西洋美術における日本美術の影響」とちょっと長い
と卒論題目を提出。難なくパスし、卒論に取り掛かるのでした。
丸1年間掛けて50枚。書き上げた時はもう感無量。
提出期限日の早朝参考資料とともに提出。
先生には2,3質問を受けただけでお褒めの言葉をいただき
このゼミで一生懸命頑張って良かった〜、と心の底から思いました。
※卒論のページは諸事情によりこのページのどこかに隠しました。
ジャポニスムについて詳しく知りたい、またどんな卒論を書いたのか知りたい方で
隠れてる場所が分からない方は直接メールください。
実を言うと、美術史ゼミに入るまで美術館に通うという習慣がなかった私。
しかし、ゼミに入る事によって自然と美術館jに通う癖がつきました。
先生に感謝!!!
私のゼミでは1年で必ず10回展覧会に行って1つの展覧会に1つのレポート提出という必修項目がありました。
レポートの項目は2つ。「展示品について」と「展示方法について」。
だからレポートの内容を読めばその人が本当に展覧会に行ったのか、
それともチラシなどを見て写しただけで行ってないのか一目瞭然。
拝観料800円が最初「高い!!」と思ってたのですが、
レポート目的とはいえ見に行ってみると、美術館で過ごす時間はなかなか面白いと感じ始めた。
そのうち喜んで企画展の拝観料は安いと感じるようになりました。
(運がいいと、先生宛に送られてきた美術館の企画展の招待券が手に入る事も。)
だって世界の名だたる絵画や芸術作品がたった800円で拝見できるんだよ。
(高い・安いの感じ方は個人差はあるでしょうが・・・。)
その芸術作品の価値は数十億、数百億とか私たちでは想像し難い額なのに。
中にはその国の国宝とか金額がつけられないものだってある。
それら貴重な展示品を身近で観察することは大変貴重な体験になります。
たった1枚の絵の中にもよく観察すると、独特の筆のタッチや微妙な色使い、
画家がその絵に込めた心情さえも感じ取れるようになります。
美術館には時間がそこの部分だけゆっくり流れているかのような雰囲気がある様な気がします。
独特の静寂な空間。
時間がたっぷりあるときはゆっくり時間を掛けて1つ1つの作品を見ていってください。
そのうち心の中のイライラやモヤモヤがなくなると思います。
企画展はちょっと高い・・・・、と思っている方。
美術館には企画展のほかに常設展というものがあります。
その美術館所有の美術品を春・夏・秋・冬4回に分けて交互に展示する常設展。
拝観料は¥100です。
100円と見くびっちゃいけませんよ。
常設展の展示物の中身はかなり有名な美術品が数多くあります。
例えば北九州市美術館を例に取ると、
モネ・ルノアール(去年の4月にお目見え)・現代日本画の巨匠、東山魁夷・
なんと北斎の「富嶽三十六景」の「神奈川沖浪裏」なんてあります。
その他¥100で拝観できる特別展とか拝観無料の展覧会もあります。
疲れたら美術館内にある喫茶店で一息入れましょう。
そういうことで(文章がまとまっていない気がするんだけど・・・)今度の休日は美術館に行ってみませんか?
デートスポットとかにもいいかも!!